角田裕毅「速すぎたゆえ」予選Q1トップからの悲劇 しかし日本GPに向けてついにマシンは仕上がった (3ページ目)
【タイムで下回るリアム・ローソンが9位入賞】
決勝は15番グリッドから、ソフトタイヤを選択。オーバーテイクが難しいサーキットだけに、1周目にひとつでも多くポジションを上げてレースを有利に進めたいという思いが見て取れた。
好発進でターン1までにふたつポジションを上げ、さらに前のローソンに襲いかかっていく。しかし、ターン5でインに飛び込んできたセルジオ・ペレス(レッドブル)と接触し、サイドポッドに穴が空いた。マシンがスライドし、角田はパンクかと疑ったが、実際にはマシン右側のラジエターから冷却水が漏れてリアタイヤを濡らしていた。
ペレスに追突されなければ入賞は間違いなかったこの記事に関連する写真を見る 冷却性能の低下によってパワーユニットに深刻なダメージをきたす恐れがあるため、チームはすぐさまマシンを止めるよう角田に指示を出さざるを得なかった。
「ターン5で無理矢理インに入ってこられて、(接触で)完全にマシンの右サイドを失い、ダメージがラジエターまでいってしまいました。あそこでわざわざノーズを入れてくる意味がわかりません」
誰に非があろうと、角田がレースを失ったことに変わりはない。失ったレースは戻ってこない。
大きなチャンスがあると感じられるほど、マシンには手応えがあった。事実、僚友ローソンは初挑戦のシンガポールでミスなく淡々と走った結果、9位入賞を果たした。
角田が予選からすべてをクリーンにまとめていれば、今回のマシン性能からすればそれなりの結果が手にできていた可能性が高い。
「スタートもよかったですし、マシンにペースがあっただけに、こんなかたちで終わってしまったのは本当に残念です。いいレースはできたんじゃないかなと思いますし、マシンのポテンシャルと自分にできることをすべて試したかったですね......」
ただ、これは不運とか試練といったものではない。自らの未熟さが招いた負の連鎖だ。
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