角田裕毅「速すぎたゆえ」予選Q1トップからの悲劇 しかし日本GPに向けてついにマシンは仕上がった (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【多少タイムを落としてもQ3進出は可能だった】

「あそこでアタックをやめたせいで、マシンバランスがどうなっていたか、トラックエボリューションがどうだったかを確認することができませんでしたから。あそこで(Q3進出できる)タイムを残せなかったとしても、そのままアタックし続けるべきでした」

 Q1からQ2へは、ラップタイムが0.4〜0.6秒も向上するほど路面のグリップが上がる。その変化に合わせてマシンのセッティングとドライビングを合わせ込んでいき、マシンの100%を引き出すのがドライバーの仕事だ。どのドライバーもQ1からQ3までアタックを続けることで、そのアジャストを進めていくのだ。

 Q2最初のアタックを途中でアボート(中断)してしまった角田は、その代償を2回目のアタックで支払うことになってしまった。フェルスタッペンに妨害されてそのコーナーではタイムロスを喫しても、そのまま走り続けてそれ以外のコーナーの路面コンディション変化を掴んでいれば、最終アタックのミスも防げたかも知れない。

 そしてもうひとつが、自己ベストタイムとの比較だ。

 アタック中のステアリングホイール上には、自己ベストタイムとのタイム差が常に表示される。角田の場合、途中まではQ1トップタイムの1分31秒991より速いペースできていたが、直前のターン13でロスして自己ベストよりわずかに遅れを取ってしまった。その結果、角田はタイムを削り取るべくプッシュして、ロックアップという結果につながったものと思われる。

 ただし結果論ではあるが、Q1のタイムは6位でQ2を通過できるほど圧倒的に速いものであったため、そこから多少遅れるくらいのタイムでもQ3進出は可能だった。だが、それを知らない角田はプッシュしすぎてしまった。

 Q1で記録した自己ベストが速すぎたがゆえの悲劇だった。

「Q3に行ける速さがあったのに、行けなかったのは僕のミスのせいです」

 チームにぶつけたい不満もあっただろうが、角田は予選Q2敗退の全責任を自分で背負った。チームメイトのリアム・ローソンが、最終的に一度も角田のQ1タイムを上回ることなくQ3進出を決めて10位となっただけに、悔しさと自分への腹立たしさとチームへの責任感はなおさらだった。

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