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角田裕毅「何かがおかしい...」今季初トラブル→リタイアにも冷静だったワケ 予選は見違える速さで「マシンに希望が見えた」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【スタートできていればポイント獲得の可能性は大】

 そうであれば、連勝記録のかかるレッドブル勢に影響することはない。だが、いずれにしても今後のパワーユニット運用にも関わる問題だけに、慎重に原因を究明しなければならないと折原エンジニアは語る。

「若いエンジンですし、かなり信頼性を上げて確認を取って持ってきているので、何かしらのイレギュラーがないとこんな短命でトラブルは起きない。原因が何なのかを慎重にしっかりと解析する必要があると思っています」

 ただし、今季これまでに使ってきた3基のパワーユニットはまだ継続使用が可能な状態で温存されており、4基目が壊れたからといってすぐに5基目の投入が必要なわけではない。少なくとも次のシンガポールGPと日本GPまでにグリッド降格ペナルティを取る必要はないという。

 チームメイトのリアム・ローソンがライバルの後退もあったとはいえ、11位でフィニッシュ。ハードタイヤでスタートする逆戦略のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が10位にジャンプアップを果たしただけに、角田もスタートできていればポイントを獲得できていた可能性はかなり高かった。

 土曜のフリー走行3回目で、角田はミディアムタイヤでのロングランを行なっていた。決勝に向けた手応えを掴んでいただけに、なおさらだ。

「(走れていれば)いいレースはできたんじゃないかと思います。ミディアムをできるだけ伸ばしていく戦略でいくつもりでしたし、フリー走行でのペースはかなりよかったので。

 ポイント獲得は可能だったと思います。悔しいですね。実際にレースをしてみてどうだったのか、見てみたかったので残念です。特に入賞圏にこれだけ近いポジションからのスタートだったのでなおさらです」

 角田自身は入賞のチャンスが霧散したことに落胆の色を見せながらも、チームやHRCに怒りをぶつけるようなことはしなかった。そこにもチームリーダーとしての成長がはっきりと見て取れた。

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