角田裕毅、今季初のQ3進出で期待されるも...天国から地獄へ。2022年型アルファタウリはまだまだ理解不足

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 天国から地獄とは、まさにこのことだった。

 初開催のマイアミGPで、角田裕毅は今季初の予選Q3進出を果たした。ただし、角田が喜んだのはその結果ではなく、金曜からの"内容"だった。

「今日の内容にはとても満足です。特にFP1からかなり苦しんでいたので、ここまで挽回できたのはよかったと思います。

 実際、今回もFP1ではかなり苦しんでいましたし、そこからうまく挽回することができたのは、僕自身としてもこれまでのF1のなかでもベストと言える、レース週末でのステップの進め方でした。もし去年の僕だったら、FP1ですでにウォールに刺さっていたと思います。自分でもすごく自信になりました」

初開催のマイアミGPを12位で終えた角田裕毅初開催のマイアミGPを12位で終えた角田裕毅この記事に関連する写真を見る アルファタウリの2台は、金曜フリー走行でグリップ不足に苦しんだ。

 路面自体はシルバーストン並みのグリップがあるものの、それを引き出すことができない。さらにはレーシングラインを少しでも外れるとダスティでグリップが低く、カルロス・サインツ(フェラーリ)やエステバン・オコン(アルピーヌ)のように激しいクラッシュを喫するリスクもあった。

「路面は予想していたよりも、かなりスリッパリーでした。レーシングラインからタイヤ1本分でもはみ出ると、大きくグリップを失ってスナップしてしまうような状態でした。

 走り始めの路面はかなりダーティで、20台のマシンが走り込んだとは言ってもみんな理想のラインはひとつなので、そのライン以外はまだダーティなままなんだと思います。でも、サーキットレイアウトはかなり特殊で、ドライバーとしては走っていて楽しいサーキットでした」(角田)

 金曜から土曜にかけてセットアップを大きく変更したものの、FP3でもまだマシンは完調とは言えず、「Q3に行けるか行けないかくらいだと思っていた」という。しかし、予選に向けて加えたさらなるセットアップ変更が当たり、アルファタウリは2台揃ってQ3に進出。ピエール・ガスリーも「今季最高の予選」と語り、角田にとっても今季初のQ3進出となった。

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