スーパーGT今季初優勝のホンダに笑顔なし。トヨタ&日産の後塵を拝する屈辱は、次の鈴鹿サーキットで晴らす

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 5月3日・4日に行なわれたスーパーGTシリーズ第2戦・富士。コロナ禍に伴う入場制限が解除され、決勝日に4万4000人ものファンが詰め掛けた富士スピードウェイで、思わぬ大クラッシュが発生した。

 450km(100周)という新フォーマットで争われた決勝でそのアクシデントが起きたのは、レースの半分を過ぎた59周目のメインストレート。トラブルによりスロー走行していたGT300車両を回避しようとして、トップ争いを演じていたCRAFTSPORTS MOTUL Z(ナンバー3)が姿勢を乱し、ガードレールに激しくクラッシュしたのだ。

波乱の富士で優勝したのはナンバー8のARTA NSX-GT波乱の富士で優勝したのはナンバー8のARTA NSX-GTこの記事に関連する写真を見る その衝撃はすさまじく、マシンが原型をとどめずバラバラになるほど。幸いドライブしていた高星明誠にケガはなく、病院で精密検査を受けたが異常は見られなかった。

 国内モータースポーツ界では最近なかった大クラッシュだけに、会場はいつになく重苦しい雰囲気に包まれた。それと同時に、あらためて現代レーシングカーの安全性の高さと、迅速な救助体制を整えているスーパーGTの危機管理がしっかりとしていることが証明された瞬間でもあった。

 このクラッシュの影響でレースは約1時間30分にわたって中断となり、その後セーフティカー先導で再開されるも、日没前の18時20分を迎えたところでチェッカードフラッグとなり、62周でレース終了。規定周回数を満たしていないため、半分のポイントのみが上位入賞者に与えられることになった。

 トップでチェッカーを受けたのはDENSO KOBELCO SARD GR Supra(ナンバー39)だったが、赤旗中断時に作業をした(マシンに触れた)として40秒加算のペナルティをとられ、正式結果は13位。さらに2番手でゴールラインを切ったKeePer TOM'S GR Supra(ナンバー37)も赤旗中断前に他車をコース外に押し出す行為があったとして、40秒加算のペナルティとなって14位まで後退となった。

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