ホンダF1の4年目は屈辱的危機から最高のスタートへ。トロロッソとの出会いが運命を変えた (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【ホンダがF1をやるからには...】

 それはマクラーレンとアロンソへの意趣返しではなく、ホンダがこれまで味わってきた苦悩を受け止め、共有し、ともに戦ってくれる、そんなパートナーがそこにいるという喜び。チェッカーを受けて飛び跳ねるように歓びを分かち合うトロロッソにも、ホンダにも、そんな喜びが満ちあふれていた。

 田辺テクニカルディレクターは、感情を抑えながらも言った。

「4位ですからね、まだまだです。10年ぶりと言っても『久しぶりの4位ですからうれしいですね』と言うわけにはいきませんよね。大きなことを言うつもりはありませんし、一歩一歩進んでいくつもりですが、ホンダがF1をやるからには上を目指します。自分たちが今どのポジションにいるかをわかったうえで、ひとつひとつ階段を上がるしかないんですけど、やるからには1番を目指していますからね」

 こうしてホンダは、4年目にして最大の危機から最高のリスタートをきったのだった。

(第6回につづく)

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