レッドブル・ホンダ、まさかの大逆転負け。フェルスタッペン「僕は動かないカモ状態だった」 (2ページ目)
「ルイスが背後に迫ってきて、彼のほうがかなり速く、彼と戦うのは難しいことはすぐにわかった。そのなかで僕らは彼のアンダーカットに対してカバーし、すべて正しい決断はしたと思う。ほかにやれることはなかったと思う」(フェルスタッペン)
先にピットインされればアンダーカットされることが確実な状況のなか、フェルスタッペンは40周目に先に動いて首位を守った。しかし、ハミルトンは3周のタイヤ差をつけて猛攻を仕掛けてくる。
48周目のターン4でハミルトンがアウトに並びかけて前に出るが、フェルスタッペンはブレーキングを遅らせてインに飛び込み、両者ともにコースオフ。接触がなかったためスチュワードは「調査不要」との判断を下したが、これまでに何度となくフェルスタッペンが見せてきた強引なドライビングにハミルトンはさもありなんとばかりに引き、自身はタイヤを休めつつフェルスタッペンのタイヤがタレるのを待った。
そして58周目、メインストレートで背後に迫った。ターン1でフェルスタッペンにブロックラインを取らせ、彼の立ち上がりが苦しくなったところをDRSを使って一気に抜き去り、ターン4で並びかける猶予も与えず封じ込めた。これまでに何度もフェルスタッペンの飛び込みに対して譲ってきたハミルトンなりの「回答」だった。
「ターン3を抜けて行く時点で、すでに彼に抜かれるだろうということはわかっていたよ。でも、その2周前から僕はトラクションに苦しみ始めていて、厳しい展開になることもわかっていた。それでも何が起るかわからないから全力を尽くして戦ったけど、僕は動かないカモ状態だったし、一度抜かれてしまったあとはタイヤを最後まで保たせるだけで精一杯だったよ」
予選失格と5グリッド降格からの大逆転勝利に、ブラジルの観衆は沸いた。アイルトン・セナのカラーリングをヘルメットにあしらったハミルトンが、絶望的とも言える逆境を乗り越え、セナを彷彿とさせるような劇的なレースを見せたからだ。ウイニングランでマーシャルからブラジル国旗を受け取って掲げたハミルトンに、今年のブラジルの風は吹いた。
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