角田裕毅、自己最高位でも笑顔なし。同僚ガスリーとの差は開くばかり (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 モナコと同様に、追い抜きが難しいため予選が極めて重要になるハンガロリンクで、モナコと同じようなミスを犯してしまったことになる。デビューから間もないシーズン序盤戦ならまだしも、11戦目でこのミスを繰り返しているのは、いただけない。

「(波乱のない)普通のレースだったら、ポイントが獲れていたかどうかはわかりません。決勝まではこれまでで最悪のレース週末でしたし、なぜこうなってしまったのかデータを分析して学ばなければなりません。シーズン後半戦にはもっと力強いレースができるようにしたいと思います」

 角田自身がそう語るように、1周目の事故で5位に浮上できたからこそ7位入賞を果たせたが、ウイリアムズ勢を2秒差で辛うじて抑えたことからもわかるように、レースペースは決して速くはなかった。

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 ドライコンディションのレースで16番手から集団に埋もれていれば、FP1の小さなミスでレース週末全体を棒に振っていた可能性も高かった。それだけに、7位入賞という結果だけを見て手放しで喜ぶことができないのは、角田自身が語っているとおりだ。

 チームメイトのピエール・ガスリーは予選で5番手に入り、決勝でも11位まで後退を余儀なくされながらも挽回して角田の前に上がり、最後はピットインしてファステストラップを刻んだ。角田との間にそれほど差が開いたことも見逃してはいけない。

 ケアレスミスで実力を発揮しきれず、ドライビング能力を評価する以前の段階で、角田のシーズン前半戦は終わってしまった。その事実を受け止め、向かい合い、何を学び、何を改善すべきか......。来季に向けて正念場となるシーズン後半戦へとつながる夏休みを過ごしてもらいたい。

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