レッドブル・ホンダ、痛いノーポイント。敗因は「ハミルトンの地元」を侮ったことだ (4ページ目)
「正直言って(今日のレースは全体の)23分の1でしかありませんし、まだ10戦でシーズンの半分も行っていません。だから気持ちを切り替えて、後々『イギリスGPがターニングポイントだったよね』と言われないように、この先も1戦1戦大事に全力で戦っていきたいと思っています」
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語るが、この事故でパワーユニットに損傷があれば、年間3基の規定を超えて1度は最後尾グリッドスタートを強いられることになる。
今シーズンのフェルスタッペンは開幕から選手権争いを視野に入れ、堅実に結果を掴み取る成熟したレース運びを見せていた。しかし、ハミルトンとの間で度々繰り広げられていたアグレッシブなバトルで、両者ともに引かなければこうなるということがあらためて突きつけられた。
イギリスGPでメルセデスAMGを圧倒的に凌駕するレースを見せれば、シーズンの趨勢は大きくレッドブル・ホンダに傾くと予想されていた。しかし、現実はそうはならなかった。メルセデスAMGはマシンのアップデートでレッドブルふうの空力パッケージへと進化し、パフォーマンスを向上させてきた。
そしてこの接触事故によって、ふたりのポイント差は8点にまで縮まった。これがターニングポイントとなって、選手権は再びハミルトンのほうに傾くのか。それとも、これをきっかけにフェルスタッペンが選手権を考えた戦い方のできるドライバーへと成長するのか。
◆ホンダF1初のチャンピオン獲得。驚異の1500馬力を誇った最速マシン>>
ホンダの連勝記録は5でストップ。唯一、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)だけが10位でポイント獲得を果たすにとどまった。アルファタウリも限られた時間でのセットアップに失敗して最高速が伸びず、DRS(※)トレインと呼ばれる集団の中から抜け出すことができなかった。
※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。
4 / 5