レッドブル・ホンダ、痛いノーポイント。敗因は「ハミルトンの地元」を侮ったことだ (3ページ目)
仮に2位に終わっても18点。ファステストラップを獲れば19点。レースの中で逆転すれば優勝25点もしくは26点を獲る可能性もあった。しかし、リタイアすれば0点。相手に責任があろうとなかろうと、その獲れたはずのポイントは帰ってこない。
実は今回、レッドブルはセッティングに失敗していた。
ここ数戦、レッドブルはウイングを削ってストレートで稼ぐマシン作りで連戦連勝を挙げてきた。だが、60分のフリー走行1回のみでセッティングを仕上げなければならない今回、予選のフタを開けてみればダウンフォースをつけすぎたことに気づいた。逆にメルセデスAMGのほうがストレートで速く、レッドブルはコーナーで稼がなければならないマシンに仕上がり、これまでと真逆の力関係になっていた。
「今回ちょっと違うのは、コーナーは僕らのほうが少し速く、ストレートは彼らのほうが速いということ。FP1のあとはセットアップが変更できないから、そこで失敗すればスタックしてしまうことになる。僕らはちょっとストレートでスタックしていて、その分コーナーで稼がなければならない。もしやり直せるなら、もう少し最高速を得られるセットアップを選ぶよ」(フェルスタッペン)
金曜の予選ではハミルトンにポールポジションを奪われた。土曜午後に行なわれた17周のスプリント予選ではスタート発進でハミルトンを逆転して勝利を収めたものの、ハミルトンは明らかに1周目の途中から守りに切り替え、攻めては来なかった。
だが、フェルスタッペンが本当に最優先にすべきは、土曜日にハミルトンに勝つことではなく、23戦を終えてアブダビGPのあとにトップに立っていることだ。そのことを考えれば、今回のノーポイントはあまりに痛い。
ハミルトンに非があるとは言っても、多くのドライバーが「レーシングアクシデントの範疇」と指摘するほど、フェルスタッペンのライン取りもアグレッシブだった。事故を避けることはできたはずだ。
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