レッドブル・ホンダ、1ストップ作戦が実らず。代表がメルセデスAMGとの差、敗因を語る (3ページ目)
「ある意味、こういう結果になることはわかっていたんだ。ソフトタイヤの第1スティントの最後には、もう彼のほうが速いことはわかっていたし、ミディアムタイヤを履いてからも彼のほうがかなり速かった。彼は僕の1秒以内にずっといたし、僕らとしてはこれ以上どうすることもできなかったと思う。彼が2回目のピットストップをした時点で勝負はついたと思ったよ」(フェルスタッペン)
レッドブル・ホンダが初めてポールポジションを獲得し、決勝で逆転されて勝利を逃した2019年ハンガリーGPと、まったく同じ展開だった。
バルセロナGPはメルセデスAMGの完勝に終わったこの記事に関連する写真を見る レッドブルは意思疎通不足によりフェルスタッペンを早めにピットストップさせてしまったことで自らの首を絞め、さらにはセルジオ・ペレスがピットインのタイミングを逃したことでダニエル・リカルド(マクラーレン)を抜けず、結果としてハミルトンに2ストップ作戦を可能にする余裕を与えてしまった。
メルセデスAMGが2回ストップ作戦で攻めてくることはわかっていたが、もうミディアムタイヤを持っていなかったレッドブルには対抗しようがなかった。もちろん、メルセデスAMGはそれを知ったうえでこの戦略を仕掛けたのだろう。
さらに言えば、そこに向けたメルセデスAMGの盤石の準備は、フリー走行でのタイヤの使い方と決勝に向けたミディアムタイヤの残し方の段階から始まっていた。レース週末全体を通しての戦略という点でも、差を見せつけられた。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は語る。
「ここまで開幕4戦すべてのレースで、彼らのレースペースのほうが優れている。タイヤのデグラデーション(性能低下)が我々よりも優れているんだ。ポルティマオ(第3戦ポルトガルGP)とバルセロナ(第4戦スペインGP)では、とくにその強みが生きたと思う。
我々が2ストップ作戦を採って翌周にピットインしていたとしても、ルイスの後方に戻ることになっただろう。最初の40周で見たとおり、彼らのクルマのほうが速くてコース上で抜くことはできないと考えていたから、我々はステイアウトして最後まで粘るだけだった。とにかく、ルイスのペースが速すぎた」
3 / 4