2020.10.10

ホンダF1撤退発表の余波。
フェルスタッペン、ガスリーの思いは

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

◆「ホンダF1撤退。株価上昇が物語る現実と、未来への不安」はこちら>>

 冬のドイツは、鉛色の雲が空を覆う時間が長い。

 すでに秋は終わったと言われる10月の、それもアイフェル山地のど真ん中に位置するニュルブルクリンクは、まさにそんな空模様に覆われていた。

レッドブル・ホンダに残された時間は決して多くない 気温は8度。山の中だけに天候は変わりやすく、冷たい雨が降る時間も長い。2週間前に行なわれたニュルブルクリンク24時間レースでも、そのうち9時間は雨が強く、赤旗中断を強いられたという。

「雪の中で会おう。ウインタージャケットは忘れずに」

 ロシアGP決勝後の会見をレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がそう締めくくったように、雪が降ることも懸念されるほどの気候だ。2月のバルセロナで行なわれる開幕前テストでさえそんな気候は稀で、これほどの低温コンディションでF1マシンを走らせた経験はどのチームも皆無である。

 そんななかで2013年以来となる、ニュルブルクリンクでのF1開催。V6ターボハイブリッドの現行パワーユニットが導入されてからは初となる。

「今週末は外気温も路面温度も低く、雨の予報も出ていますから、クーリングとクルマのセットアップをしっかりと進めていきたいと思っています。雨でまともに走れない状況もあると思いますので、走行時間が限られてしまう可能性のあるなか、どういうプログラムで走ってどれだけデータを採っていくかをチームと密接に練りながら、天候変化に対しても即座に対応できるようにしたいと思います」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

 マシン側では、いかにタイヤに熱を入れて本来のグリップを引き出すか、という点がキーファクターになる。一方、パワーユニット側も初体験のサーキットに対して、エネルギーマネジメントなどのセッティングを最適化すること、そして低温に対応することなど、普段とは違う準備が要求される。