MotoGPホンダの神童ダニ・ペドロサ。苦難を戦い抜いた小柄なヒーロー (5ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 このシーズンに、ホンダ陣営全体を取りまとめていたHRC総監督(当時)の石井勉は「あの状態でよく3位に入りましたよ。普通じゃないですね。ダニは間違いなく、歴史に残るトップライダーの資質をもっていると思います。腕だけじゃなくて、気持ちの強さ、精神力の面でも」と言って、レース後にペドロサの走りを絶賛した。痛々しい負傷の状態は、チーム内部の人間が最もよく知っている。ペドロサが強い意志で獲得した3位表彰台という結果を褒め称えるのは当然だろう。

 しかし、ペドロサはその後何度も、毎年のように辛い負傷に悩まされることになる。

【profile】  ダニ・ペドロサ Daniel Pedrosa 
1985年9月29日、スペイン・サバデル生まれ。15歳でロードレース世界選手権125ccクラスに参戦し、2003年に王座獲得。250ccクラスで04年、05年に連覇を果たし、06年より最高峰のMotoGPクラスに昇格。多くのシーズンで上位争いに食い込んだ。18年に引退。

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