レッドブル・ホンダ、完敗。自信は木っ端微塵に打ち砕かれた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 しかし、3位にはバルテリ・ボッタスがつけ、アルボンはそこに着いていけず。トップ3台だけが大きく先行する形となる。

 20周目を過ぎたところで、メルセデスAMGがボッタスにプッシュの指示。すると、フェルスタッペンとのギャップは見る間に縮まっていった。

 ボッタスに先にピットインされれば、新品タイヤの勢いを使ってアンダーカットされる(フェルスタッペンがピットストップを済ませた頃には先行される)。そこで抜かれてメルセデスAMGとの戦いが終わるよりは、2位の座をキープしてわずかでも望みをつなげたい。

 レッドブルは予定を変更し、24周目という早い段階でフェルスタッペンをピットインさせた。これに対し、ボッタスは使い古したタイヤで34周目まで引っ張り、この段階ではフェルスタッペンの8秒後方でコースに戻った。

 しかし、フェルスタッペンより10周も新しいタイヤを履いたレース後半のペースの差は明らか。2台のギャップはあっという間に縮まり、66周目にはターン4で激しいサイドバイサイドのバトルとなる。

 バッテリーをフル充電して備えていたフェルスタッペンは、この周こそボッタスを抑えきった。しかし、バッテリーが減った翌67周目には、なすすべなく抜かれてしまった。

 後方では4位のアルボンも、レーシングポイントのセルジオ・ペレスに追いかけられた。ターン4で接触してペレスがフロントウイングを壊したため、4位を守り抜くことができたものの、純粋なスピードでペレスに負けていたことは明らかだった。

「2位を死守しようと可能なかぎりトライしたんだけど、単純に僕らは少し遅すぎた。彼らにはものすごく大きな差をつけられてしまった。ちょっとショックだったよ」

 ピットインを遅らせてフレッシュなタイヤで勝負を挑んだとしても、メルセデスAMGの速さを見れば勝負にならなかっただろうと、フェルスタッペンは振り返る。

 レース序盤にハミルトンと同等の走りができているように見えたのも、彼がペースをコントロールしていたからだ。

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