レッドブル・ホンダ、完敗。自信は木っ端微塵に打ち砕かれた (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 ターン3からの立ち上がりでトルクの出方に違和感を訴える場面もあったが、それが起きたのはホンダ勢4台のうちフェルスタッペン車のみ。これがレッドブル全体のペース低下に決定的な影響を及ぼしていたとも言えない。

 レッドブルはリアウイングの翼端板をアップデートしてきた一方で、開幕戦に1セットだけ投入した新型ノーズは両車に試した末、2台とも旧型に戻した。つまり、新たな開発パーツの効果が想定どおりに発揮できていなかったということになる。

 金曜のドライコンディションと土曜のウエットコンディションでは開幕戦で抱えていた問題点を解決し、好レースが期待できていた。しかし、決勝では一転して失望の結果に終わってしまった。それは、レッドブル・ホンダ以上にメルセデスAMGのほうが開幕戦から大きく進歩してきたということだ。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも、完敗だったと認めた。

「クルマがよくなったと思っていたけど、まだまだだったことを受け止めなければならない」

 シーズン開幕に向けて抱いていたレッドブルとホンダの双方の自信は、メルセデスAMGの大きな前進によって打ち砕かれた。

 レースとは相対的なものだから、いかに自分たちがすばらしい進歩を遂げようとも、ライバルがそれ以上に進歩すれば負ける。それは仕方のないことだ。ただ大切なのは、その想定外の現実から目を背けず、再びライバル以上の開発を進めるべく努力することだろう。

 コーナーが多くストレートが短い次戦ハンガリーGPでは、また違った勢力図になる可能性もある。目標に掲げているタイトル争いに加わるためには、車体もパワーユニットもさらに一歩、大きな前進が求められる。

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