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ロッシ、悪夢の2年間。MotoGP伝説の王者の再戴冠はあるのか? (6ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 だが、その前に20年だ。今年のシーズン開始時期はまだ正式に発表されていない(6月9日現在)。だが内々では、7月下旬から欧州を転戦する形で12〜13戦程度、秋以降に欧州外の開催が可能になるようであれば16戦程度、という想定で検討が進み、もう間もなく発表される見込みだともいわれている。

 そして、20年と21年の2シーズンで、果たしてチャンピオンシップをロッシが制して10回目の世界タイトルを獲得できるのかどうか。そう問われれば、これはかなり厳しいと言わざるを得ないだろう。

現在ヤマハ所属のロッシ。2021年にサテライトチームに移るとみられている現在ヤマハ所属のロッシ。2021年にサテライトチームに移るとみられている それでも、チャンピオンを獲得することとレースで勝つことは別だ。さまざまな条件も異なる。1勝を挙げることなら、可能性は充分にある。

 ロッシが最高峰クラスで優勝した回数は89回。2位と3位を含む表彰台獲得は198回。いずれも、すでにダントツで史上トップである。これらの数字を90回と200回の大台へ乗せる歴史的な瞬間に、我々はいつ立ち会えるだろうか。
(ニッキー・ヘイデンの回へつづく)

【profile】バレンティーノ・ロッシ Valentino Rossi
1979年2月16日生まれ、イタリア・ウルビーノ出身。MotoGPにおける現役最年長ライダーで、現在ヤマハ所属。グランプリライダーの父グラジアーノの影響で、幼少期からレース経験を積む。96年に125ccクラスデビューを果たし、翌年、世界タイトルを初獲得。250ccクラス王座を経て、当時最高峰クラスの2ストローク500ccを2001年に制覇。02年から始まったMotoGPでは4年連続を含む計7回タイトル獲得。

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