今季F1注目ポイント。ハミルトンがシューマッハの記録を塗り替えるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ハミルトンが制すれば自身7度目の王座獲得となり、ミハエル・シューマッハの記録に並ぶ。そして優勝回数でも現在84回のハミルトンは、シューマッハが持つ91回の最多記録を2020年中に抜く可能性もある。すでにポールポジションの回数は大きく上回っており、名実ともに史上最強のF1ドライバーの称号を手にすることになる。

 フェルスタッペンにしても、ルクレールにしても、彼らが制すれば当然ながら初戴冠となる。長く君臨してきたハミルトンと戦い、それを下してのタイトル獲得は、まさしく世代交代の象徴とも言える瞬間となるだろう。

 フェルスタッペンとルクレールはカート時代からライバル関係にあり、かつてのハミルトンとニコ・ロズベルグのような関係だ。昨年のオーストリアGPで接触してルクレールが初優勝を逃して以来、お互いに特別視している間柄でもある。

 彼らの間でタイトル争いが繰り広げられることになれば、単なる速さのぶつかり合いにとどまらず、感情剥き出しの人間ドラマになることは必至。ある意味では、F1にとって新たな魅力となるだろう。

 もちろん、彼ら3人以外にもチャンスはある。

 セバスチャン・ベッテルは2021年以降の契約が決まっていない。それだけに、フェラーリでキャリアを続けるにしても、新天地を求めるにしても、今シーズンが正念場となる。

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