レッドブル・ホンダのグリップ不足に
解決の糸口。次はチャンスあり (3ページ目)
その一方で、ホンダはバーレーン合同テストで今後投入予定の新ハードウェアをテストし、良好な結果を得たという。スペインGP以降に投入を予定しているスペック2の流れをくむものだ。
現在のレギュレーションでは、パワーユニットの実走テストを行なう機会は極めて少なく、実戦投入前に実走確認をするのは、こうした合同テストくらいしかない。そういう意味では、貴重なテストができたと言える。
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは次のように説明する。
「将来を見据えてのテストです。将来使っていきたいと思うモノを、実走で確認を行なって、収穫はありました。非常にプロダクティブ(生産的)なテストでした」
そしてソフトウェア面でも、セッティングのさらなる改善のためにテストを行なった。これも今週末の中国GPに生かされるはずだ。
「バーレーンGPで問題になったエンジンブレーキやドライバビリティに関する部分です。同じサーキットでいろいろトライし、それを持ち帰ってベンチテストをした結果をこの週末に持ち込みました」(田辺テクニカルディレクター)
上海サーキットは1.2kmのバックストレートがあり、ターン12の出口から連続全開時間は18秒にも及ぶ。ここでのパワーユニットにかかる負荷は大きいが、サーキット全体を見渡せば回り込むようなコーナーや中低速コーナーも多く、全開率・エンジン寄与率はバーレーンほど高いわけではない。
となれば、やはり上海で重要になるのは車体性能だ。
現状でフェラーリがストレートで大きなアドバンテージを持っているのは確かだが、中低速コーナーではメルセデスAMGやレッドブルが速い。バーレーンではストレート区間でフェラーリに0.5秒の差をつけられたメルセデスAMGが、1周トータルでは0.3秒差まで迫ったのはそのためだ。上海ではその比率がさらに上がるため、メルセデスAMGやレッドブルにもチャンスがあるかもしれない。
バーレーンでの問題解決と、RB15が抱える根本的な問題の改善。バーレーンでの失速の原因となったそのふたつが、どれだけ解決できているか。
1000レース目のF1を迎える今週末の中国GPで、レッドブル・ホンダがどこまでやれるかは、そこにかかっている。
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