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MotoGP中上貴晶、勝負の2年目。
「自分の手で来季シートを掴む」 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文・撮影 text & photo by Nishimura Akira

―― ロッシ選手やマルケス選手をライバルだとは思えていなかった?

「思えていなかったですね。彼らより前にいたいけれども、経験を含めて自分は彼らに負けているという気持ちもあったし、彼らの前に出たときはサプライズでもあったので、そんな気持ちからしてすでに、彼らをライバルとしては見られていなかったですよね」

―― 1年間を戦って、今はどうですか? 今は誰をライバルとして見ていますか。

「昨年はたったひとり、『打倒モルビデッリ』だったので、かなり特化したメンタルでしたが、今年は去年よりも視野が広くなり、他のライダーにも負けたくない気持ちが強くなっています。

 たとえば、同じホンダでチームメイトでもある、一番近い存在のカル(・クラッチロー)を負かしてみたいという気持ちはすごくあります。去年はカルが僕のライディングの先生で、それは今でもそうなんですが、本当にいろんなことを教えてもらいました。彼に勝つのはもちろんすごく難しいと思いますが、だからこそ『打倒カル』の強いメンタルで臨みたいですね」

―― 今シーズンのホンダは4台体制です。ワークスチームのレプソル・ホンダ・チーム(マルク・マルケス、ホルヘ・ロレンソ)2台と、中上選手のチームメイトのカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)選手が、2019年仕様のファクトリースペック。中上選手のみが2018年仕様で戦うことになります。彼らの環境と比べて、不利を感じますか?

「去年も似たような状況でしたが、たしかに不利だとは思います。でも、ホンダのバイクは17年型から18年型でかなりよくなっていて、実際に乗ってみてもそれを確認できました。

 それに、18年型はマルクのチャンピオンマシンなので、チャンスはあると思います。もちろん、全戦がチャンスというわけではありませんが、チャンスのあるコースはあると思うし、上位でフィニッシュできそうなところはしっかり結果を出したいですね」

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