F1も世代交代の波。フェラーリ加入の21歳がベッテルに引導を渡す? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そしてトロロッソ・ホンダをドライブするアレクサンダー・アルボン(タイ/22歳)はFIA F2ランキング3位。メーカー系育成プログラムの支援もなく自力でスポンサーを集めて戦い、2年前のGP3ではルクレールとタイトル争いを演じ、昨年はFIA F2でラッセルとタイトル争いを繰り広げた。その活躍がレッドブル首脳の目にとまり、かつて一度打ち切った支援を復活させ、トロロッソでの起用が決まった。

 イギリス生まれのタイ人で、柔和な性格でナイスガイ。一見するとレースには向いていなさそうだが、ひとたびステアリングを握れば強く速い。そんなアルボンはホンダ製パワーユニットを使うこともあって、これから日本でも人気が出てきそうだ。

 一方、トップドライバーの世代交代にも注目したい。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペン(21歳)とピエール・ガスリー(22歳)、そしてフェラーリに抜擢されたルクレール(21)らが、既存のトップドライバーたちに襲いかかる。ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG/34歳)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ/31歳)、キミ・ライコネン(ザウバー/39歳)というチャンピオン経験者に世代交代を促すのは誰か。

 一歩も二歩もリードしているのは、フェルスタッペンだ。速さだけでなく、メンタルの強さも次世代を担うにふさわしい。しかし、ルクレールも新人らしからぬ知性と落ち着きを持っており、初年度から何度もスター性をのぞかせた。フェラーリのチーム内騒動に巻き込まれることなく、彼本来の実力を発揮できれば、2019年は大きく飛躍してベッテルに引導を渡す可能性もある。

(8)ライコネン&クビツァ。「ベテラン名手」の復活はあるか?

 フェラーリのシートを失ったキミ・ライコネンが、ザウバーで心機一転のシーズンを迎える。もともとサッパリとした性格だけに、名門から放出された時点でそのままF1から引退するものと思われていた。だが、周囲の予想を大きく裏切って、まさかのザウバー加入を発表する。

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