2019.02.08

ルール改正等エアレースは波乱含み。
室屋義秀が描く総合優勝への構想

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

 レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの2019年シーズンが、いよいよ開幕を迎える。

 一昨年には世界王者となりながら、昨年は年間総合5位に終わった日本人パイロット、室屋義秀にとっては、いわばリベンジのシーズンになる。充実のシーズンオフを過ごした”元・世界王者”は、毎年恒例となっているUAE・アブダビでの開幕戦を目前に気持ちも高まり……と言いたいところだが、当の本人は拍子抜けするほど自然体だ。

「クリスマスと正月が挟まったこと以外は、特別にシーズンオフという感じはなかった。それらしいことと言えば、今年はどれくらい(機体の)開発を進めるかとか、予算の話をしたことくらいかな」

エアレースの新シーズンに臨む室屋 シーズン開幕に際し、レッドブル・エアレースのプロモーション用にさまざまな撮影があったため、レースの1週間以上前から現地入りしている室屋は、「さすがに飛び始めると、いよいよレースだなという感じにはなってくる」とは言うが、「それでも(昨季最終戦から)2カ月しか空いてないから、ずっとレースが続いているなかで、次のレースが来ただけという感じかな。ニューシーズン(が開幕する)という高揚感はない」と苦笑する。

 もちろん、だからといって、気合いが入っていないとか、昨年のショックを引きずっているとか、そんなことはまったくない。

「いつもアブダビは(開幕戦とあって)新しい改造をしたりして、それでトラブルに見舞われることも多いが、すでに(昨季最終戦が行なわれた)フォートワースで機体のセットアップも終わっていたし、それがそのまま運ばれてきているだけから、準備もあっさりしたもの。でも、だから、いい結果が出ているんだと思う」

 そう語る室屋は、予選前日の2月7日に行なわれた公式練習で、1回目は3位、2回目はトップのタイムを記録した。昨季最終戦では、ラウンド・オブ・8敗退に終わりながら「満足感のあるレースができた」と話していたが、なるほど、ウイングレットが装着され、エンジンも入れ替えられた機体の仕上がりは上々だ。あくまでも練習段階であり、この結果が本番の結果に直結するわけではないとはいえ、機体ともども、室屋がいいコンディションで開幕戦に臨めることは間違いなさそうだ。