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地元で優勝は格別。ドゥカティ母国での
11年ぶり勝利は意義が大きい (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 さらに、このサーキットはいったんアドバンテージを築いてしまえば、以後はその有利な状況を維持しやすいコースだ、とも話した。その理由はどうやら、ブレーキングを武器とする彼のライディングスタイルにも関係があるようだ。

「ここは直線からのハードブレーキングが多いし、コース幅も狭いのでラインの自由度が少ない。(低速コーナーと切り返しが続く)前半区間は自分に有利だと思うけど、(ハイスピードの)11コーナーやコース後半はそうでもないと思う」

 この言葉どおりに、中低速区間での有利を存分に活かしたドヴィツィオーゾは、周回数が進むにつれてじわじわと差を広げてゆき、トップでチェッカー。レース終盤に追い上げを狙ったロレンソがラスト2周で転倒を喫したため、その背後につけていたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が2位でゴールした。

「ドゥカティについていくことはできても、抜くことまではできなかった」と、マルケスはこの日の展開を振り返った。

「レース中盤にホルヘを抜いたのは、向こうがミスをしたから。(その後ふたたび抜き返されて)残り3ラップで攻めたけれども、ついて行くのが精一杯だった」

 この結果、優勝で25ポイントを加算したドヴィツィオーゾはランキング2番手に浮上。トップのマルケスとは67点差で、シーズン前半に数戦のノーポイントレースがあったことが今さらながら悔やまれるが、現在の彼らの高いパッケージレベルを見れば、今後の終盤戦もドヴィツィオーゾが優勝戦線の一角を占め続けることは確実だろう。

 一方、ランキング首位を走るマルケスは、一戦を経るごとにチャンピオンを確実に地固めする状況が整いつつある。

 シーズン残り6戦でドヴィツィオーゾやロレンソが優勝を続けても、マルケスが3位を維持すれば、9点ずつ最大54ポイントの追い上げに終わるため、安全マージンを確保できる計算になる。とはいえ、転倒やノーポイントレースが2回あればこの優位は簡単にひっくり返るため、状況はまだ予断を許さない。

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