2018.09.06

佐藤琢磨がキャリア3度目の優勝。
アクシデントを味方にレースを支配

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 アメリカの西海岸、オレゴン州最大の都市ポートランド。ダウンタウンのすぐ北にあるポートランド・インターナショナル・レースウェイで開催されたインディカー・シリーズ第16戦は、アメリカ北西部の人々が待ち望んでいたビッグイベントの、2007年以来となる復活だった。レースが行なわれた3日間は、朝のゲートオープン前から熱心なファンが列を作った。

 夏の終わりを告げるレイバーデイウィークエンド。オレゴンとワシントンの州境にあるポートランドは、すでに朝方はかなり冷え込む。しかし、陽の出た日中は汗ばむほどの暑さとなり、幸いにもレースウィークエンドの3日間は好天が続いた。

ポートランドで今季初勝利を飾った佐藤琢磨 チャンピオン争いはシーズン終盤戦に入ってさらに激しさを増しており、ポイント3番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がポールポジション。ポイント4番手につけるジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が予選2位、ポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が予選3位につけるなか、ポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は予選11位と苦しいスタート位置となった。

「シーズン通して不運なレースがないなんてあり得ない。今年まだそれのないディクソンは、残り2戦で必ずそういう目に遭うだろう」と、期待も込めて予言をしたのはパワーだった。

 日曜日のレースでは、スタートが切られると、ストレートエンドのシケインを抜けたところで多重クラッシュが発生した。ルーキーのザック・ビーチ(アンドレッティ・オートスポート)とジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の接触が発端だったようだが、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)が裏返しになってストップした。