F1シーズン後半戦展望。「フェラーリらしくない」が王座奪還のカギ (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ホンダはパワーユニット4社のなかで唯一、スペック3の投入がシーズン終盤戦にずれ込むという。つまり、ライバルたちが進歩する分、後退を余儀なくされ、後半戦が始まってもしばらくは苦しい戦いを強いられることになりそうだ。まずは「使い方」の面で予選スペシャルモードの投入を急ぎたいところだが、なによりスペック3でライバルたちよりも大きな進歩幅を見せられるかが勝負だろう。

 フォースインディアは資金不足でマシン開発ができずに苦戦を強いられたが、空力性能があまり問われないアゼルバイジャンとモナコでは中団最速で、ランキング6位に踏みとどまった。チームの売却が成立し、財務状況が改善されるシーズン後半戦はさらにポテンシャルを増してきそうだ。

 ウイリアムズも前半戦は空力失敗で、マシン挙動の不安定さに苦しんだが、ようやくマシンを安定させるための空力パーツが出来上がった。これからは、その土台にさらなる空力性能を上乗せするアップデートを投入していくところだ。

 中団グループにおいても後半戦は混戦が続くだろうが、じわじわと「中団上位」と「中団下位」に分かれつつある。トロロッソ・ホンダが中団上位にとどまるためには、チーム全体としての底上げが必要だ。

 3強チームも中団グループも、それぞれ激しい戦いが続く。大混戦の2018年シーズンは、後半戦も我々にエキサイティングなレースを見せてくれそうだ。

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