2018.06.26

室屋義秀にショックの色ありあり。
エアレース総合連覇に黄信号

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

 母国レースの3年連続優勝がかかった、千葉・幕張海浜公園でのレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第3戦から、およそ1カ月。室屋義秀は、すでに次なる戦いに踏み出していた。

「(千葉での結果は)あまり気にしてないというか、そんなことを言うと期待してくれた人に怒られてしまうかもしれないけど、レビューは十分にしたし、もう終わったことなので」

 ハンガリーの首都、ブダペストでの第4戦を前に、そう語る室屋の表情は思いのほかスッキリとしていた。

千葉大会の敗戦を引きずらずに第4戦に臨んだ室屋だったが...... ラウンド・オブ・14でオーバーGによるDNF(途中棄権)という惨敗に終わった第3戦の悔恨を、いまだ引きずっていることはさすがにないとは思いつつも、少なからずピリピリとした雰囲気を漂わせているのではないかと想像していた。

 予選を前にした室屋にそんなことを伝えると、あっけなく笑い飛ばされた。

「正直言って、千葉戦もブダペスト戦も僕らチームスタッフのテンションは一緒なので何も変わらない。千葉だったから特別に落ち込むわけでもないし、ブダペストだからリラックスしているわけでもない。レースは常に続いているので、千葉戦はそのなかのひとつであって。

 もちろん、結果は残念だったけど、それはそれ。きちんとレビューしてトレーニングをすれば、次の成果につながると思うし、そうやってプロセスを進めていくことでしか、(残念な気持ちを)本当に乗り越えることはできないから」

それに、と言って、室屋は続けた。

「悔しいレースの後のほうが、トレーニングをしていてもモチベーションが上がる。やっぱり勝っているときは、無意識のうちに若干(気持ちが)緩むし、フライトのデータを見るにしても、『ここで100分の1秒、タイミングがズレているな』ということに気づかなかったりする。だから、千葉はいい勉強になった。そう思っている」