2018.06.23

必然だったレッドブル・ホンダ誕生。
ミッションは2年での王座奪還だ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 6月19日、ホンダは2019年からレッドブルにパワーユニットを供給することを発表した。レッドブルとルノーとの間では長く駆け引きが続けられたように見えていたが、実際にはかなり早い段階から既定路線だった。

来シーズンからホンダとタッグを組むことになったレッドブル 今からさかのぼること8ヵ月――。昨年の日本GP前に、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコとともにHRD Sakuraを訪れたマックス・フェルスタッペンは、山本雅史モータースポーツ部長の案内で施設を見て回り、「ルノーに比べて格段にハイクオリティだ!」と感心しきりだったという。

 メルセデスAMGやフェラーリなど引く手あまただったフェルスタッペンは、その直後にレッドブル残留を決めた。つまり、トロロッソとホンダの提携がスタートしていた当時、レッドブルの内部ではすでにレッドブル・ホンダのシナリオが描かれており、フェルスタッペンを安心・納得させるための材料としてHRD Sakura見学が行なわれていたのだ。

「施設はすばらしかったし、ホンダとルノーのファクトリーの違いを実際に歩いて回って見て、知ることができたのはよかったね。ダイナモやいろんな装置を目にして、すべては効率よく運用されているように見えたし、彼らが作り上げた施設は非常に印象的だったよ。もちろん、僕はみんなよりももっと早くチームから聞かされていたし、将来に向けてチーム内で何が起きているのかもはっきり把握している」(フェルスタッペン)

 レッドブルにとっては、ホンダを選ぶことは必然だった。

 まず第一に、ワークス体制であるということ。

 これはつまり、車体側の要求に合わせてパワーユニットを開発してもらえるということだ。空力性能を優先するためにコンパクトにしてほしい箇所があればそれを要求できるし、逆に車体側で妥協することでパワーアップを果たす余地があるかもしれない。ルノーから供給を受ける場合は、すでに完成されたパワーユニットを渡されてそれを車体に組み込むだけで、基本的に車体側がパワーユニットの基本設計に合わせるしかない。しかしホンダと組めば、パワーユニットも車体も、より一層攻めたデザインを突き詰めることができるようになるのだ。