2018.04.25

エアレース王者・室屋義秀が
「機体改造」に成功。幕張は勝ちにいく!

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 表彰台には立てなかったとはいえ、昨季第7戦から4戦連続でのファイナル4進出。安定して上位に進出するという点において、室屋義秀が際立った結果を残していることは疑いようがない。

 にもかかわらず、ある種の失望感をともなってその結果を受け止められてしまうのは、常に勝つことが期待される世界チャンピオンゆえの宿命と言うしかないのだろうか。

エアレース第2戦を4位で終えた室屋 photo by Daniel Grund/Red Bull Content Pool フランス・カンヌで開催されたレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第2戦。スポーツとしての航空文化の普及度では世界一と言っても過言ではない国、フランスでの初開催となった記念すべきレースで、室屋は4位に終わった。開幕戦での2位に続き、2戦連続で上位には進出しているものの、またしても優勝には届かなかったのである。

 ラウンド・オブ・8までの室屋は、文句をつけようがないフライトを見せていた。ラウンド・オブ・14で記録した58秒015は全体で3位、ラウンド・オブ8での57秒374は全体で1位。室屋は昨季年間総合王者の肩書にふさわしい強さで勝ち上がっていった。
 
 表彰台を逃したファイナル4のフライトにしても、室屋が犯したミスは不可抗力によるものだったと言ってもいい。

 レース2日前の公式練習からずっと、世界的な映画祭でその名をとどろかすカンヌはほとんど風がなく、海も至って穏やかだった。ところが、レースデイのこの日、バーティカルターンに入るゲート8手前の1カ所だけ、時折風が吹き込んでいた。今にして思えば、何人かのパイロットがゲート8への進入直前、急にラインを修正するような動きを見せていた。前日までには見られなかった光景だ。室屋が振り返る。

「1周目のゲート8に入ってきたとき、パイロンに当たりそうになったのを避けてインコレクトレベル(ゲートを水平に通過しない)のペナルティを取られたが、それでも自分が風に流されたとは思っていなかった。だから、2周目もまったく同じことをしてしまった。前日までほとんど風がなかったし、この日もレーストラックの内側に波は立っていなかったので、完全に無警戒だった」