エアレース王者・室屋義秀が「機体改造」に成功。幕張は勝ちにいく! (2ページ目)
果たして室屋は、優勝したマット・ホール、2位のマティアス・ドルダラー、3位のマイケル・グーリアンに2秒以上の後れを取ることとなった。
ファイナル4は不運だった。常に自然との戦いを強いられるエアレースにおいては、ときにはこういうこともある――。ラウンド・オブ・8までが強い勝ち上がりだっただけに、そう言って割り切るべき結果なのかもしれない。
実際、室屋自身も、「あまり考えても仕方がない。これはこれでいい経験だったし、反省はしなければいけないが、ミスが起きた理由ははっきりしているし、(2戦連続ファイナル4進出という)流れは悪くない。いいレッスンになったと思っている」と前向きに語る。
その言葉が強がりではない証拠に、室屋は今季開幕前から一貫して、「すべてのレースで優勝を狙うのではなく、コンスタントに上位に進出してポイントを重ねていくことが結果的に年間総合優勝につながる」と話している。
とはいえ、安定した成績も見方を変えれば、昨季の第7、8戦を連勝した後、今季開幕戦は2位、そして第2戦は4位と、理由はどうあれ、段階的に順位を落としているのもまた事実である。昨季終盤、あれほど室屋に微笑みかけていた勝利の女神が、次第にそっぽを向き始めたようにも見える。
幸いなのは、開幕戦から第2戦までのおよそ2カ月半のインターバルを利用して行なった大掛かりな機体改造が、順調にその成果を示していることだ。室屋によれば、「まだフライトの回数が少ないので、必要なデータを取り切れていない。今回のレースでは、まだ機体性能を完全にはつかみ切れていなかった」というが、主に機体前面のカウリング部分に施された大改造が、「下手をすれば機体性能を落とす危険性もあったが、かなりの性能アップにつながっていることはどうやら間違いない」。
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