大丈夫か、フェラーリ? 自滅のミス多発でメルセデスの戴冠が間近に (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 シーズン前半戦を終えた時点でランキング首位に立っていたのは、ベッテルのほうだった。メルセデスAMGの圧勝が予想されていた夏の高速2連戦(第12戦・ベルギーGP、第13戦・イタリアGP)でハミルトンに連勝を許し、ランキング首位を譲りはしたものの、予想以上に善戦(ベルギー2位、イタリア3位)したことで、むしろタイトル争いはベッテル優位との見方も強かった。

 しかし、圧倒的優位だった第14戦・シンガポールGPで、フロントロウを得ながらスタート直後の混乱でリタイア。痛かったのは、ベッテル自身が優勝を落としたことだけでなく、シンガポールでは3強チームのなかで3番目の速さしかなく予選5位に終わったハミルトン(予選6位はボッタス)に優勝させてしまったことだ。この1戦で相手に15点差をつけるはずが、逆に25点もの差をつけられてしまったのだ。

 続く第15戦・マレーシアGPでも、ベッテルはポールポジション争いができたはずの予選でパワーユニットのトラブルに見舞われ、最後尾スタートから4位フィニッシュ。優勝はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がかっさらったものの、ハミルトンは2位に入りさらに6点の差を広げた。

 そして、この2戦の取りこぼしで追い詰められた第16戦・日本GPでも、フェラーリはスパークプラグの不良を見抜けずにリタイア。これでベッテルのタイトル獲得は絶望的となってしまった。

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