中嶋悟も感激のフィナーレ。鈴鹿1000kmで10年ぶりのGT優勝 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「ナカジマレーシングに来て4年間走ってきたけど、振り返ればつらいことばかりだった。でも、中嶋総監督はプレッシャーをかけることなくずっとサポートを続けてくれて、チームもホンダのスタッフも一生懸命やってくれた。感謝しているよ。本当に優勝したことが、まだ信じられない!」

 今季からナカジマレーシングに加わった松浦は、これまでの苦労を思い出してか、記者会見では涙を見せるシーンもあった。

「まだ、実感が湧いてきません。いろんなことが込み上げきて......。昨年ARTAを離れることになって、長い間お世話になった(鈴木)亜久里監督に結果で恩返しできなかったですし、ホンダさんにはインディカーシリーズまで参戦させていただいたのに、大した結果を出すことができなくて。でも、今回優勝できたことで、レーサーとしてやっていけるんだなと自信を持つことができました」

 最後の開催となった鈴鹿1000kmは、それを飾るのにふさわしい感動的なフィナーレとなった。

 一方、このレースウィークでもっとも注目を集めていたジェンソン・バトンはどうだったか。ナンバー16のMOTUL MUGEN NSX-GTのドライバーとしてスポット参戦したバトンをひと目観ようと、土曜日から多くのファンがTEAM MUGENのピット裏に詰めかけ、彼が移動すると至るところでサイン攻めにあっていた。

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