思い出のモンツァでベッテルが熱く語る、
幼少期からのフェラーリ愛

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ミラノの北10kmのところにあるアウトドローモ・ディ・モンツァに運び込まれたフェラーリSF70Hのボディカウルには、「70」の文字が刻まれていた。その車名が表すように、今年はフェラーリ創設70周年にあたる。そして1950年のF1世界選手権初年度から参戦を続けている唯一無二のチーム――それがフェラーリだ。

ベッテルはイタリアGPでティフォシの夢を叶えることができるかベッテルはイタリアGPでティフォシの夢を叶えることができるか そのフェラーリが、ドライバーズチャンピオンシップをリードして母国イタリアGPに凱旋を果たした。グランプリ週末を控えた木曜日からモンツァは大勢のファンでごった返し、ピットウォークは人が溢れかえるほどのすし詰めで異様な興奮に包まれた。

「モンツァは特別だよ。木曜日なのにもう大勢のお客さんがいて、フラッグや横断幕もたくさん飾られている。間違いなく他のグランプリとは違うんだ。その後押しが何秒なのかはわからないけど、確かにそこには何らかのプラスの力が存在するんだ」

 セバスチャン・ベッテルは、70周年のロゴが冠された特別仕様キャップを身に着けてそう語った。

 我々日本人にとって鈴鹿の日本GPが特別であるのと同じように、いや、おそらくそれ以上に、フェラーリとイタリアにとってモンツァのこのグランプリは特別なオーラをまとっている。イタリアの、イタリアによる、イタリアのためのグランプリ――。まさにそれがイタリアGPだ。

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