思い出のモンツァでベッテルが熱く語る、
幼少期からのフェラーリ愛 (3ページ目)
フェラーリは特別。F1の世界に身を置く者なら、誰もがそう言う。
かつては深紅の色が独特のオーラを放ち人を魅了するのだと言われてきたが、シューマッハ黄金期には蛍光レッド、やがてラメ入りの深紅、そして今ではやや明るい赤色と変遷しても、その魅力が変わることはない。
色ではなく、フェラーリという存在そのものが持つ特別なオーラがそうさせるのだとベッテルは語る。それは市販車であれ、F1マシンであれ、そのシートに座った者にしかわからないという。
「フェラーリのシートに座ったことがあるかい? もしまだ座ったことがないのなら、一度座ってみることをおすすめするよ。世の中にはすばらしいスポーツカーがごまんとあるけど、フェラーリには他にはない独特の何かがあるんだ。そしてそれはF1チームにも言えることで、他のチームとははっきりと違う何かがある。エンジンをかけ、走り始めると、クルマが好きな人間ならばたちまち恋に落ちてしまうほどの魅力がそこにはあるんだ」
そしてモンツァは、ベッテルにとって初優勝の地でもある。
レッドブルの育成ドライバーとしてまだトロロッソにいた2008年。ちょうど今のマックス・フェルスタッペンのような才気あふれる若手有望株だったベッテルは、雨を味方につけることで非力なトロロッソでポールポジションを獲得すると、決勝でもそのまま逃げ切ってまさかの大金星を挙げたのだ。
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