佐藤琢磨のチャンプ獲得に黄信号も、インディ王者争いはまだ大混戦

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 インディカー・シリーズ第13戦は、テクニカルなロードコースであるオハイオ州のミッドオハイオ・スポーツカーコースで行なわれ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝した。シーズン3勝目に一番乗り。これで一気にポイントリーダーに浮上した。

第13戦ミッドオハイオで優勝したジョセフ・ニューガーデンと5位フィニッシュの佐藤琢磨第13戦ミッドオハイオで優勝したジョセフ・ニューガーデンと5位フィニッシュの佐藤琢磨 レース前、このミッドオハイオの優勝者が、そのままチャンピオン候補の筆頭に躍り出るのではいかと予想していた。昨年のウィナーで2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)か、第10戦ロードアメリカでペンスキー勢"4台抜き"をして勝ち、ミッドオハイオ5勝の実績も持つスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)が勝つ可能性が高いと見ていたからだ。しかし、パジェノーは4位、ディクソンは9位という結果に終わった。

 パジェノーは予選でファイナル進出を逃し、レースでもとうとう優勝争いに絡むことはなかった。タイトル防衛のためには残りレースでのパフォーマンスのレベルアップが必要だろう。また、直前にテストを行なって万全を期したディクソンも、ミッドオハイオではとうとうホンダの空力パッケージから思い通りの性能を引き出し切れなかった。

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