まさかのエンジンブローでホンダに衝撃。次戦は新ユニットで正念場に (3ページ目)
「特にカナダはパワーサーキットですから、『カナダにはほしいよね』という話はしていましたけど、パワーのあるエンジンがほしいのは、いつだってそうですから。それが今回、ここで入らないということになれば、当然ガッカリすると思います。パワー不足が一番のウィークポイントであることは確かですし、『そこそこよくなりました』っていう程度で許してもらえる世界ではないですからね」(長谷川総責任者)
カナダGPを前にアップデートが間に合わなかったことで、周辺からはさまざまな雑音が聞こえ始めた。マクラーレンのエグゼクティブディレクターを務めるザック・ブラウンがロイターの記者を自身のオフィスに招き、「忍耐の限界を迎えつつある」と語った記事が駆け巡ったりもした。
しかし、その背景には単純な性能不足に対するフラストレーションだけでなく、来季に向けた交渉を優位に進めるための駆け引きもある。実際、この記事と時を同じくしてマクラーレンCOOのジョナサン・ニールは青山のホンダ本社を訪れ、八郷隆弘社長をはじめとした首脳陣と交渉を行なっている。
提携関係の解消を示唆するような発言の数々は、フラストレーションの発露というよりもむしろ、政治的な駆け引きとして発されているにすぎない。チームの内情はずいぶんと異なっているようだ。
3 / 8