全米が「インディ500勝者」と呼ぶ佐藤琢磨。年間王者に向けて激走 (5ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 チーム・ペンスキーはピット作業のスピードと正確さでシリーズをリードする存在。だが、アンドレッティ・オートスポートは、ピットワークをもう一段レベルアップさせる必要がある。

 ゴールまでの最終スティント、琢磨はパワーにアタックできず、逆に引き離された。ストリートコース用のホンダ・エアロは、前車に接近した際、乱気流の影響を受けやすい。その課題を、アンドレッティ・オートスポートはまだ解決し切れていない。レース2を4位でフィニッシュした琢磨は、「1.5秒以内に近づくとマシンが影響を受け始め、オーバーテイクを仕掛けるのが難しかった」と話している。

 しかし、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、他のホンダチームが発見していない何かをつかんでいるようだ。レイホールはハンター-レイを豪快にパスして2位に浮上。トップに立ってからは、後続をどんどん引き離していった。

 レース終盤、2台のマシンが同時にエンジントラブルを起こして赤旗中断となったが、2周を残しての再スタートでも、レイホールは危なげなく2位以下を突き放し、ダブルヘッダー制覇を達成した。

 これで2017年シーズンの17戦のうちの8戦が終了した。ポイントリーダーはデトロイトでのレース1で2位フィニッシュしたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)だ。今季は未勝利だが、2位2回、3位1回を含め、開幕5戦で連続してトップ5フィニッシュ。インディ500でのPP獲得もあって、303点を稼いでいる。

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