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ペドロサ圧勝でホンダが1−2!
ヤマハ優位の流れが一気に反転 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 だが、ここ数年のヘレス・サーキットは総じて「ホンダよりもむしろヤマハ向き」と認識されるようになり、今回もホンダ陣営の選手たちはいずれもレース前に苦戦を覚悟するような言葉を発していた。走行が始まる前の木曜にカル・クラッチロー(LCRホンダ)と話をした際には「ここはヤマハがいいだろうから、自分たちホンダ勢は苦労するだろうと思う」と述べたが、「ただし、ダニだけは例外で、彼はヘレスが大得意だからきっと活躍すると思う」とも付け加えていた。

 レースウィークのセッションが始まると、今年のヘレスは皆の事前予想に反してヤマハファクトリー勢が大苦戦を強いられる展開となり、それに反してペドロサが一貫して圧倒的な強さを発揮。レースでも持ち味を存分に出して、序盤から後続を引き離して優勝した。また、チームメイトのマルク・マルケスもペドロサの強さにこそ敵わなかったものの、2位に入ってホンダファクトリーがワンツーフィニッシュを飾った。

 ことほど左様に、レースというものはフタを開けてみるまではどうなるかわからない。

 今回、ホンダとヤマハ両ファクトリーがこのように明暗を大きく分ける結果となったのは、条件変化に敏感だと言われるタイヤ性能を存分に作動させることができたかどうかによるところが大きい。そしてそのタイヤ性能は、エンジン特性やそれをコントールする電子制御の使い方、的確なトラクションを路面に伝える車体性能、さらにはライダーそれぞれのクセや好み、乗り方の特徴など、実にさまざまな要素が複雑に絡み合って作動性を左右する。

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