マクラーレンとの関係を変えたF1ホンダ長谷川祐介のチーム改革 (7ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 メンツに囚(とら)われず、勝つために必要なことをやる。それは、ホンダの内部でも同じことだ。

 昨年までは技術的な共有の難しさや雇用期間の短さなどを理由に見送ってきた外国人エンジニアの採用も、HRD Sakuraではどんどん進められているという。

「外国人のエンジニアも、どこからと言うまでもなく、ほぼ全メーカーからリクルートして採っています。ですから、ヨーロッパのPU(パワーユニット)技術というのもどんどん入ってきています。それに今年は日本だけではなく、マクラーレンの技術であるとかイギリスにいるエンジニアたち(ミルトン・キーンズの現地部隊)の力もかなり使っています。そこは今年、大きく変えてきたことのひとつです」

 2013年5月にF1復帰を決め、そのわずか1年10ヵ月後には参戦を開始しなければならなかったホンダは、パワーユニット開発面だけでなく、組織としてもまだ十分に準備が整わないままでの戦いを強いられてきた。

 しかし、長谷川が組織のトップに立ち、長谷川がレースに勝つためには当然と考える組織へと生まれ変わりつつある。

 2017年、その成果は必ずや、結果という形で我々の目に見えるものとなるはずだ。


(つづく)

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