マクラーレンとの関係を変えたF1ホンダ長谷川祐介のチーム改革 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 隠し立てはせず、オープンに話す。だからこそ相手もオープンに話してくれるし、信頼してくれる。長谷川が理想とするのは、そういう組織だ。

 ホンダも、マクラーレンとの関係も、この1年でそんなふうに大きく変わってきた。

「(ホンダ側の開発として)『できたことはできた』『できないものはできない』『次に投入できる』というような話は非常に正直に伝えてきましたし、『できない』ばかりじゃなく、たまには『できた』もありますからね(苦笑)。カナダGPのターボにせよ、ベルギーGPのスペック3にせよ、言ってきたことがある程度実現できたことによって、信頼関係ができてきたと思います。

 たとえば、スペック3.5をいつ投入するかという話にしても、『スペック3はもうこれ以上、保(も)たない』とか、『ここで換えるかアメリカGPで換えるか、どうしようか』というようなことを、お互いにフランクにオープンに話し合って、ドライバーも交えて、『じゃあここでペナルティを受けるしかないね。次のエンジンはいいんでしょ?』とか、そういう話をすることによってお互いに相手を信頼し、みんなで納得して意思決定ができるようになってきた。

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