マクラーレンとの関係を変えたF1ホンダ長谷川祐介のチーム改革 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それによってチームのムードもよくなりましたし、ドライバーも納得して最後尾からレースをすることができた。だからこそ、マレーシアGPやアメリカGPでもいい成績を残すことができたんだと思います」

 ある意味、それは長谷川にとって当たり前のことだった。

『改革』などという大袈裟な言葉は使ってほしくないという長谷川は、レースチームとして好結果を出すために、自分が当たり前だと思うことを当たり前のようにやれる組織にしてきただけのことなのだという。

「ジェンソン(・バトン)が言ってくれたのは、僕が来てから『できることはできる、できないことはできないってはっきりと言ってくれるから、そこは助かった』ということです。でも僕は、ここに来た瞬間からそういう組織を目指してきましたし、僕が変えたとか意識してどうしたというよりも、それが当たり前のことだと思うんですね。特にレースチームとしては、当たり前のことだと思います」

 マクラーレンの総帥として恐れられてきたロン・デニスも、第3期ホンダの最後に加わって翌年チームを引き取りブラウンGPとして成功を収めたロス・ブラウンも、実はそうだった。

 どちらが偉いとか、面子を立てることではなく、勝つことこそが唯一のゴール――。

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