マクラーレン・ホンダ、
大クラッシュでも「トップ10」に手応え (3ページ目)
大クラッシュ後も元気な姿を見せたフェルナンド・アロンソ ホンダはバルセロナ2週目に走らせたパワーユニットをそのまま栃木のHRD Sakuraへと持ち帰り、実走データを反映させた上で、のべ4000kmをベンチテストで走らせて信頼性の確認を行なってこの開幕戦に臨んできた。
「一歩一歩、確実に進歩しなさい。その代わり、宣言した目標を有言実行できちんと達成するようにしなさい」
このメルボルンに激励訪問することを強く望んでいた八郷隆弘社長からは、そう言われたという。まさにその言葉どおり、ホンダは着実に信頼性を確保し、ERS(エネルギー回生システム)のディプロイメント不足を解消した2016年スペックのパワーユニットを用意してきたのだ。
もちろん、それは最初の"一歩"でしかなく、次の"一歩"であるパワーの向上に向けた研究開発も、引き続き進められている。
「ディプロイメントは途中で切れることもありませんでしたし、ドライバーたちも満足していたようでポジティブなコメントをもらいました。しかし、パワーユニット全体については、『もっとパワーをくれ!』と言っていました。レーシングドライバーですから、それはいつものことなんですけどね(苦笑)」
まずは、今回は信頼性の確認が十分でないことから見送られた、さらに攻めた燃焼セッティング面でパワーを引き出すこと。そしてトークン(※)を使ったハードウェアの開発準備も、もちろん進められている。
※パワーユニットの信頼性に問題があった場合、FIAに認められれば改良が許されるが、性能が向上するような改良・開発は認められていない。ただし、「トークン」と呼ばれるポイント制による特例開発だけが認められている。各メーカーは与えられた「トークン」の範囲内で開発箇所を選ぶことができる。
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