【F1】5戦ぶりのポイント獲得。ホンダに光明は見えてきたか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 また、FP-1ではディーゼル燃料がコース上に漏れ出たために清掃で30分を失い、残り時間もコースが濡れた状態で走行。さらにFP-2(フリー走行2回目)は雨に見舞われ、予選・決勝に向けて唯一の有益な走行時間となるはずだった土曜朝のFP-3(フリー走行3回目)も、カルロス・サインツJrの衝撃的な高速クラッシュで35分間しか走行できなかった。

 車体側も、パワーユニットも、セットアップが不十分なままで予選に臨まなければならず、マクラーレン・ホンダの2台は13位・16位という結果。アロンソは最終セクターでミスを犯してQ2進出(※)を逃したが、それがなければ2台揃ってQ2を戦うことは十分に可能だった。13位でセッションを終えたバトンは、「実力を出し切る良い走りができた」と満足げな表情を見せた。

※予選はQ1~Q3まであり、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台。

 だが、問題は決勝のほうだった。

 ディプロイメントが1周すべてをカバーできないなかで、予選ではラップタイムが最速になるようにディプロイメントを割り振ればいい。つまり、計算上ですべてが成り立つ。しかし、決勝では1周を速く走ることよりも、「抜く」「抜かれない」ことのほうが重要になる。ラップタイムが速くても、直線スピードが遅ければ前走車を抜くことはできず、コーナーで引っかかって自分のタイムで走ることができない。むしろ、どれだけコーナーで頑張っても、ストレートで抜かれてしまう。

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