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【F1】5戦ぶりのポイント獲得。ホンダに光明は見えてきたか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 この新型ICEを据えたパワーユニットは、FP-1(フリー走行1回目)で確認走行を行なっただけでマシンから下ろされ、ほぼ新品の状態のまま温存された。コース特性を考えると、このソチ・アウトドロームよりも次のアメリカGPのほうがチャンスは大きく、ロシアGPで新型を投入してペナルティを消化してしまおう、というわけだ。6コンポーネントの投入で合計35グリッド降格を受け、アロンソは最後尾スタートを科せられることになったが、パワーユニットのトラブルは一切なく、すべてがアメリカGPに向けた戦略的なペナルティ消化だった。

 前回の日本GPでは、アロンソが抜かれた際に「これじゃGP2エンジンだ!」と無線で叫び、それがメディアで取り沙汰された。だが、チーム内は険悪な雰囲気になるどころか、より結束が強くなったところさえあるように感じられる。アロンソのF1参戦250戦目となったロシアGPを記念し、アロンソ本人だけでなく、チームスタッフ全員が侍のイラストの描かれた250戦記念ハチマキを締めてレースに臨んだほどだ。

「レースで抜かれたら頭にくるでしょうし、カーッとしちゃうのはしょうがないでしょう。ああいうふうに言われれば我々だって、『もっと出力を上げなきゃな』『もっとクルマを良くしなきゃな』と思いますしね。チーム全体が『なんとかしなくちゃ』と思っています」

 実際、ドライバーたちは普段から「これじゃカテゴリーが違うよ」と、率直に言い合っている。無線の音声がテレビ放送に流れてしまったのは想定外だったが、GP2エンジンと言われたときも、スタッフたちは「また言っているよ」と苦笑いしていたほどだったという。

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