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【MotoGP】天候を味方に勝ったマルケス、慎重すぎたロッシ (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 2位は、ヤマハサテライトのブラッドリー・スミス(モンスター・ヤマハ Tech3)が入った。コンディションが慌ただしく変化するなか、スミスはただひとり、最初から最後までマシンを交換せずに28周をスリックタイヤで走り続け、キャリア2回目の最高峰クラス表彰台を獲得した。

「バレンティーノたちがピットインするのが見えたけど、雨量が減りつつあったので、スリックで通そうと決めたんだ。何度も転びそうになったけど、『勇気はきっと報われる!』と何度も自分に言い聞かせて走り続けた。2位を獲得できるとは思わなかったけど、勝負に出た甲斐があったよ」

 3位はスコット・レディング(EG0.0 Marc VDS)。ホンダサテライトチーム2年目で、今回が最高峰クラス初の表彰台となった。

「僕は失うモノがないから、ダメもとで攻め続けた。サインボードで4番手と表示しているのを見たときは何かの間違いだと思ったけど、全力で攻め続けたんだ」

 5位に終わったロッシは、レディングたちと対照的に、リスクをとって失敗したときに自分は失うものがあまりに多いので大きな賭けに出られなかったのだ、とレースを振り返った。

「ホルヘがどのタイミングでピットに戻るかという様子もチェックはしていたけれども、ウェットから再度スリックに交換するのは判断が難しく、できればもう2周早く入りたかった。しかし、バックストレートではまだ雨が降っていたし、そこでまた強く降り出すことを考えると、リスクはあまりに大きかった」

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