【F1】前哨戦でも苦戦。ホンダの日本GPはどうなるのか?
セバスチャン・ベッテルがシンガポールGPの勝利に歓喜の雄叫びを上げているころ、マクラーレン・ホンダのピットガレージではもう撤収作業が始まっていた。2台ともに入賞を目前にしてギアボックストラブルでリタイアを強いられ、チームは失意のなかで第2の地元レース・日本GPへと向かうこととなった。
シンガポールGPでは2台ともリタイアに終わったマクラーレン・ホンダ マリーナベイの市街地を駆け抜けるシンガポールGPは、スロットル全開率が43%程度と低く、モナコGPとハンガリーGPに次いで3番目にパワーユニットの性能差がラップタイムに表われにくい。直近の2戦(ベルギーGP、イタリアGP)とはまったく異なり、ERS(エネルギー回生システム)の容量不足に苦しめられるようなこともなく、言うなれば車体の基本性能がはっきりと表われるサーキットだ。
「今週はトラブルで止まることもなく、スムーズにセッションが進められました。今シーズンここまでで一番と言ってもいいでしょう。金曜日の時点では少し厳しいかなという印象もあったけど、土曜日のFP-3(フリー走行3)が終わった時点では予選でQ3進出(※)も見えるかなという期待もありました」
※予選はQ1〜Q3まであり、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台。
ホンダの新井康久F1総責任者は、そう語る。
これまでの12戦を振り返ってみても、マクラーレン・ホンダがまったくのトラブルフリーでセッションを進め、セットアップを煮詰めきって予選を迎えたことは皆無といってよかった。つまり、これまでになく最高の条件が揃っていたのが、シンガポールGPの予選だったのだ。
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