【エアレース】今季2度目の表彰台。
室屋義秀、最終戦で初優勝へ!

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの2015年シーズンも、残すところあと2戦。室屋義秀にとっては、この2レースで「来年のシーズンに向けて、もうひとつ手応えをつかんでおきたい」というのが、正直な気持ちだった。

 第5戦(イギリス・アスコット)で3位に入り、今季初、通算2度目の表彰台に立ったものの、続く第6戦(オーストリア・スピルバーグ)では、今季3度目のラウンド・オブ・14での敗退。浮き沈みが激しく、成績が安定しない室屋にとっては、残る2戦で結果を残し、来季へつながる確かな手応えをつかんでおく必要があったのだ。

アメリカ・テキサス州フォートワースでの第7戦に臨んだ室屋義秀 ©red bullアメリカ・テキサス州フォートワースでの第7戦に臨んだ室屋義秀 ©red bull 室屋が残る2戦にこだわったのには理由がある。

 今季第2戦(千葉)で「エッジ540 V3」という最新鋭機を導入したものの、新機体の性能を十二分に発揮させるには調整のための時間が必要だと考えていた室屋は、「今季のラスト3戦が勝負」と踏んでいた。ところが、そのラスト3戦の初戦である前回の第6戦で早期敗退に終わったのだから、室屋にショックがなかったはずはない。

 しかも、室屋が「ビデオで見ても違うんじゃないかと思う」と話す、際どいペナルティの判定によって敗退に追い込まれては、悔しさも倍増しただろう。

 残る2戦を無駄にはできない――。室屋がそう強く感じたのは当然だ。

1 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る