【エアレース】
今季初の表彰台獲得。室屋義秀が「さらに上を狙える」根拠 (4ページ目)
その意味で言えば、今回のレースは1年半ぶりに味わう歓喜の一方で、この先に待ち構える厳しい戦いを強く予感させる一戦でもあったのではないだろうか。
室屋は公式会見を終えて、集まったファンからのサインや記念撮影の求めに笑顔でひとしきり応じると、いつもの落ち着いた表情に戻り、厳しい口調でこう語った。
室屋は予選5位。決勝で自己最高位に並ぶ3位。次戦はさらに上を狙う ©red bull「トップのふたり、とくにポール(・ボノム)が安定しているのに比べると、まだフライトごとにばらつきがある。そこに追いつくためには、もうひとつ越えなければならない山がある。ハンネス(・アルヒ)にしても今回はエンジントラブル(ラウンド・オブ・8でエンジンがかからず、飛べずに敗退)があったが、彼も含めて上位の3、4人はテクニック、機体ともに揃っているのでかなり速い。そこは僕自身のトレーニングだけでなく、機体の改良を含めてまだまだやらなければならないことは多い」
実際、室屋は今回のレースで3位に入ったとはいえ、予選からファイナル4まですべてのラウンドで、優勝したボノムと2位のマット・ホールにタイムで及ばなかった。とりわけ1分6秒台をコンスタントに出し続けるボノムとは、順位以上の大きな差を見せつけられたと言ってもいい。室屋が続ける。
「ファイナル4に残るとか、表彰台に立つとかだけならともかく、優勝するとなると、もう一歩二歩前へ進まないといけない。このままでもいいところまでは行けると思うけど、総合優勝を狙うとなると、そこで越えなければならない山は結構デカい」
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