2015.08.26

【F1】「フェラーリ超え」を達成できず、ホンダに迫るタイムリミット

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「パワーユニットとして、フェラーリを上回る」

 マクラーレン・ホンダの目標は、夏休み明けのベルギーGPで達成されることはなかった。それどころか、逆に大きく順位を下げることになってしまった。その原因は、どこにあったのだろうか?

ベルギーGPでも苦戦を強いられたマクラーレン・ホンダ ホンダはかねてから、残る7トークン(※)を利用した特例開発によって、パワーユニットの根本的な改良と出力向上を念頭に研究開発を進めてきた。ハンガリーGPの時点ではルノーを10馬力上回るパワーを発揮していたが、さらに上位へと駒を進めるためには、より大きなパワーが不可欠だったからだ。

※パワーユニットの信頼性に問題があった場合、FIAに認められれば改良が許されるが、性能が向上するような改良・開発は認められていない。ただし、「トークン」と呼ばれるポイント制による特例開発だけが認められている。各メーカーは与えられた「トークン」の範囲内で開発箇所を選ぶことができる。

 7トークンを使ってフェラーリのパワーユニットを上回る出力を実現するために、栃木のHRD Sakuraでは様々な開発が進められ、最も大きな出力向上が見込めるトークンの使い方を模索してきた。しかし、ハンガリーGP後のサマーブレイクを迎えた時点で、7トークンすべてをベルギーGPに投入することは見送らねばならないことが決定され、後半戦の幕開けから大きな前進を果たすことは断念せざるを得なくなった。

 スパ・フランコルシャンに姿を見せた新井康久・F1総責任者の表情は冴えず、ファンの期待に応えられない厳しい週末を迎えることになるだろうという見通しをにじませた。