2015.09.09

【F1】ホンダ総責任者が語る「ストレートで伸びない3つの理由」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 超高速サーキットのモンツァで行なわれたイタリアGP決勝でのテレビモニターには、マクラーレン・ホンダのマシンがルノー勢に次々と追い抜かれるシーンが映し出されていた。土曜までの走行データから予想していた通りのこととはいえ、ホンダの新井康久F1総責任者は胸を締めつけられるような思いで、それを見ていた。

イタリアGPでも苦戦を強いられたマクラーレン・ホンダ 決勝前日のマクラーレン・ホンダの記者会見では、イギリスメディアから新井総責任者に対して批判的な質問が集中的に浴びせられた。その背景には、名門チームと王者(アロンソ&バトン)が最後尾を走るという辱(はずかし)めを受けていることに対し、「全責任はホンダのパワー不足にある」という英国人記者たちの先入観がある。

「6つのコーナーでは、メルセデスAMGと較べても合計で0.3秒しか遅れていない。残りの3秒は、すべてストレートで失っているんだ。スロットル全開で、ステアリングはまっすぐの状態。僕らにはこれ以上どうしようもない」

 フェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトンの両ドライバーが、揃ってそう語った。それを聞いたメディアは、ホンダのパワー不足がイタリアGP惨敗の理由であると結論づけた。英国メディアに限らず、誰もがそう考えてもおかしくない。実際、「最高速」という目に見える数値は、マクラーレン・ホンダが圧倒的に劣っている。予選の最高速がセルジオ・ペレス(フォース・インディア)の354.6km/hに対し、バトンは343.0km/h、アロンソは338.1km/hだった。