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37年目の鈴鹿8耐。ケビン・シュワンツの「伝説の走り」を見よ!

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 今年で37回目を迎える真夏の祭典――、鈴鹿8時間耐久ロードレースが今週末(7月24日~27日)に三重県・鈴鹿サーキットで開催される。

『8耐』の通称で親しまれているこのレースは、若者たちの間でオートバイが大人気だった1980年代のバイクブーム全盛時代には、15万人を超える観客動員数を誇っていた。だが、二輪車市場の縮小やモータースポーツ人気の低迷に加え、夏フェスなどの競合イベントが台頭したこともあり、若者の興味は次第にさまざまな方向へ拡散・多様化していった。これらの複合的な要因が絡みあい、今の8耐は、一定数の固定ファンを除けば、かつてのような賑わいを取り戻すことが難しい状況が続いている。

ケビン・シュワンツ、50歳。今年も鈴鹿8耐で「伝説の走り」を披露するケビン・シュワンツ、50歳。今年も鈴鹿8耐で「伝説の走り」を披露する 鈴鹿8耐は、日曜の午前11時半、蝉(せみ)の鳴き声が静寂を際立たせるなか、ル・マン式スタート(※)でレースが始まる。そして夜の7時半、暗闇を貫くヘッドライトの残像が次々とゴールラインを通過してゆく耐久レースならではのドラマチックな展開は、今も昔も変わらない。しかし、その魅力を若い世代にアピールし、新たな観客の心を掴んでファン層を拡大することに苦労してきたのも事実だ。

※ル・マン式スタート=エンジンを切ったマシンをコース端に予選順に並べ、スタートの合図で反対側の道路脇に待機していたライダーが駆け寄り、エンジンをスタートさせて走って行く方式。

 だが、その8耐が、このレースを最も熱心に支えてきた「かつてのバイク少年たち」の琴線(きんせん)に触れる出来事を前面に押し出したことで、この数年は新たな魅力を見い出しつつある。

 その象徴が、昨年の8耐で実現した、ケビン・シュワンツ(アメリカ)の参戦だ。

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