国内人気ナンバーワンの「スーパーGT」に異変?
今、日本でもっとも人気を集めているモータースポーツが、市販車モデルを改造したマシンで争う「スーパーGT選手権」である。
スーパーGTには、主要自動車メーカーがほとんど参戦している 最高峰のGT500クラスにはトヨタ、ニッサン、ホンダの3メーカーがワークス参戦し、それぞれレクサスRC F、GT-R、NSXという、メーカーを代表するスポーツカーをベースにしたレーシングカーを投入している。
下位のGT300クラスには日本のスバルに加え、フェラーリ、メルセデス、ランボルギーニ、BMW、ポルシェ、アウディといった海外メーカー、さらにはトヨタとホンダがレース仕様のハイブリッドカーを投入。両クラス合わせて合計40台以上のマシンが参戦し、大いに盛り上がっているのだ。
しかもスーパーGTは今年からヨーロッパで高い人気を誇るDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と車両規格が統一され、今後はよりグローバルなレースシリーズに発展することが期待されている。
その世界からも注目を集めるスーパーGTのGT500クラスで今年、異変が起きている。
過去、GT500クラスではトヨタ、ニッサン、ホンダの3メーカーのマシンが実力伯仲のレースを繰り広げ、最終戦まで三つ巴のチャンピオン争いを続けるのが常だった。
それは独自のレギュレーションを導入し、速いマシンには重量などでハンディキャップを課し、遅いマシンと性能を均衡化させることで、開発競争の余地を残しながら、ある意味、接戦を演出していたからである。
しかし今シーズン、ホンダが新開発したNSX CONCEPT-GTが、トヨタのレクサスRC FとニッサンのGT‐Rにタイムで大きく引き離されるだけでなく、マシントラブルが続出して完走さえもままならないレースを続けて、接戦どころか差が開く一方なのだ。
NSX CONCEPT-GTは、ホンダがF1に復帰する2015年に市販予定のフラッグシップ・スポーツカーのNSXをベースとしている。新開発の2リッター直噴ターボにハイブリッドシステムを搭載したミッドシップのNSX CONCEPT-GT は、いわばホンダのモータースポーツのイメージを体現するモデルだ。
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